Kindaichi Kousuke MUSEUM

事件簿編さん室

金田一耕助図書館
├5F:横溝作品の源流
├4F:研究本の世界
├3F:コミックルーム
├2F:パロディ・贋作
│ └<贋作の考察>
└1F:開架室

金田一耕助視聴覚室

金田一さんの現場検証

展示室:木魚氏の蒐集品

木魚のおと

リンクターミナル

作者名(五十音順)
 いけうち誠一
 岩川ひろみ
 江原伸
 鳳英洋
 小山田いく
 掛布しげを
 影丸譲也
 ささやななえ
 J E T
 田中つかさ
 たまいまきこ
 つのだじろう
 直野祥子
 前田俊夫/橋本一郎
 金田一以外の横溝作品
サスペリアミステリー
掲載作品
 暁綾子
 秋乃茉莉
 池田恵
 えぐちゆう
 小川和美
 上坂ナオ(高森夜魚)
 児嶋都
 佐藤千江子
 宗美智子
 高橋葉介
 たまいまきこ
 鳥羽笙子
 長尾文子
 永久保貴一
 服部あゆみ
 ひたか良

 
 
たまいまきこ
悪霊島
(角川書店 平成3年)
「悪霊島」表紙 now writing.
女王蜂/檻の中の女
(角川書店 平成4年)
「女王蜂」表紙  たまい氏は、原作をていねいに読み、ストーリーを自分のものにした上でコミック用に再構成している。そのため歌舞伎座の殺人を省略するなど、大胆な構成をとりながらも、物語が原作や思い入れに引きずられることはなく、安定している。

 登場人物が美形揃いのため、「絶世の美女」大道寺智子の印象が薄くなってしまったのは否めない。その反面、神尾先生の美しさが際立っている。一方でロン毛の多門連太郎は、好みが分かれるかもしれない。
 また、この人の描く等々力警部が、なかなかシブイ。洋画「ナイル殺人事件」のポアロ役、ピーター・ユスチノフのような、恰幅の良い白髪のおじさんなのだ。

 併録の「檻の中の女」は、今のところ、確認される唯一のレディス・コミック版金田一。対象読者が成人女性だけあって、これがまたシブシブのストーリーである。
檻の中の女
(サスペリアミステリー 平成平成14年8月号別冊)
「サスペリアミステリー」付録  初出から10年をへだてて、秋田書店「サスペリアミステリー」別冊付録に「檻の中の女」が再録された。
 ご存じのように「サスペリアミステリー」誌では、横溝正史生誕100年を記念して、毎月金田一コミックの新作が掲載されている。
 その中にあっても、たまい氏の作品はまったく古びていない。というよりむしろ、リアルタイムで発表される新作よりもキャラクターや構成がしっかりしており、際立って面白い。
 金田一をムリに主人公化せず、犯人が犯行に至る経緯をふくらませた脚色により、物語に深みが出たのではないだろうか。
 狂言回しといいながら(あるいは狂言回しだからこそ)、事件の謎を解いた金田一が無力感にさいなまれながら呟くセリフが秀逸。たまいの描く金田一が、原作よりも暖かい眼で犯罪者を見ていることがわかる。

 せっかくなので、上のあすかコミックスの同作とネームを比べてみた。この10年の間に、使えなくなってしまったことばがある。
あすかコミック版(92年) サスペリア再録版(02年)
「緒方静子は『2号さん』てやつです」 「緒方静子は愛人てやつです」
になるようなしたたかさがあると思うと」 愛人になるようなしたたかさがあると思うと」
「僕おこもさんに見えます?」 「僕そんなに貧乏に見えます?」

 原文でもそうとう気をつかっているのだが、現代では通用しなくなってしまったようだ。
 性犯罪の低年齢化、失業等によるホームレスは、10年まえより確実に増えている。ことばを封じれば、これら諸問題が解決するとでもいうのだろうか。

トランプ台上の首
(サスペリアミステリー 平成平成16年5月号)
 「サスペリア・ミステリー」誌上では浅見光彦や亜愛一郎シリーズに力を注ぎ、もう金田一ものは再録だけで新作はないのか、とあきらめかけた矢先、やっと新作の登場です。
 待望のたまいまきこ、12年ぶりの金田一ものは「トランプ台上の首」(原形版)。

等々力警部も若づくりで登場だ!
 
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