Kindaichi Kousuke MUSEUM

事件簿編さん室

金田一耕助図書館
├5F:横溝作品の源流
├4F:研究本の世界
├3F:コミックルーム
├2F:パロディ・贋作
│ └<贋作の考察>
└1F:開架室

金田一耕助視聴覚室

金田一さんの現場検証

展示室:木魚氏の蒐集品

木魚のおと

リンクターミナル

作者名(五十音順)
 いけうち誠一
 岩川ひろみ
 江原伸
 鳳英洋
 小山田いく
 掛布しげを
 影丸譲也
 ささやななえ
 J E T
 田中つかさ
 たまいまきこ
 つのだじろう
 直野祥子
 前田俊夫/橋本一郎
 金田一以外の横溝作品
サスペリアミステリー
掲載作品
 暁綾子
 秋乃茉莉
 池田恵
 えぐちゆう
 小川和美
 上坂ナオ(高森夜魚)
 児嶋都
 佐藤千江子
 宗美智子
 高橋葉介
 たまいまきこ
 鳥羽笙子
 長尾文子
 永久保貴一
 服部あゆみ
 ひたか良

 
 
前田俊夫 / 橋本一郎
悪霊島(双葉社 昭和56年)
「悪霊島・上巻」表紙
「悪霊島・下巻」表紙
 この作品を、どのように形容したらよいのだろう……。たまいまきこの「悪霊島」と読み比べても、とても同じ原作とは思えない。
 本作は「週刊平凡」に、横溝正史の原作と同時進行で連載されたものである。したがって、本来はもっともっと長かったものを、上下巻合わせて800ページに編集し直したというわけだ。
 それは場合によっては切り貼り作業的な面もあったと思われる。とにかくネームによる説明が多いのだ。
 和服を着ていた女性が、次のページでは洋装になっているなど、珍妙な場面も頻出する。

 推理小説を同時進行でコミック化するのは、たいへんなことだと思う。特に「悪霊島」では、冒頭から様々な伏線がはりめぐらされており、あとになってつじつまあわせに苦労したのではないかと思われる。
 三津木五郎の八重歯、浅井はるの手紙など、のちのち重要なファクターになるにもかかわらず、劇画化の際に見落とされたものが多い。
 なにより致命的なのは、磯川警部をコメディ・リリーフの狸オヤジに設定してしまったこと。おかげで、金田一シリーズに有終の美を飾るはずの感動的なラストシーンが、まるでドタバタ喜劇のような収拾のつけようである。

「コミック界初の本格的長編劇画!!」というコピーも、何が言いたいのかよくわからない。
※ 表紙画像は、紹介のための引用です。この件について、関係各位からのお問い合わせは、こちらをクリックして下さい。
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