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みんなのドラマレビュー!
金曜エンタテイメント新春特別企画「女王蜂」

 
 お待ちかね! 稲垣金田一、第三の事件は「女王蜂」です。
 皆さまの期待したエピソードは登場したでしょうか? 予想を裏切る展開はあったでしょうか?
 
 レビュー掲載をご希望の方は、木魚庵までメールでお願いいたします。
 このコーナーに関しては、対象のドラマ、及び原作についてのネタばれを解禁します。同じ原作でも映画や他のドラマなどについては、未見の方もいますのでネタばれはご遠慮ください。
 絶讃だけでなく、批判・批評OKです。ただし誹謗中傷は当方でチェックします。

※ ドラマで初めて金田一さんに触れ、もっと金田一さんのことをお知りになりたい方は、「横溝研究本の世界」までどうぞ。
 
 
「女王蜂」レビュー
みゆみゆ
 
女王蜂、おいら的には、

 ・智子さんがいかにも横溝っぽい日本的美人だったところ
 ・横溝先生が車から平気な顔で降りてきたところ

の2点以外は楽しく見られました。
特に後者は、横溝先生の乗り物恐怖症が非常に萌えポイント(笑)なので、描かれなくて残念です。
その他、ストーリーの再構成の仕方や役者の芝居とか多少不満な部分もありましたが、映像や衣装・小物使い等やたら凝って楽しそうに作っているところは、とても素敵でした。
なんといっても「横溝ものを見た!」という満足感があったのが、年明け早々嬉しいです。
 

「女王蜂」レビュー
石坂耕助
 
初めて投稿させていただきます。私は石坂金田一の初登場以来の横溝ファンで、主要作品は三十年間にわたって何度も読み返しています。

横溝先生自身は「本格探偵小説は二度読むべし」というご意見で、何十回も読んで面白いといわれても、果たして自分の作品は正しく評価されているのか、と疑義を呈しておられます(「真説 金田一耕助」)が、それは当たらないと思います。

横溝作品の最大の特徴は、本格的構成・トリックというよりも、横溝調ともいうべき独特のムードや、ありそうもないけど、現実にあったら恐ろしいと思われる、人間の異常な愛着・妄執・葛藤などを極限状況において深く描いている点にこそあり、単なる骨組みや発想の新しさにはないと思われるからです。それのみに特徴があるのなら、先生の言われたように二回読めば十分といえます。

また、私は市川崑監督のシリーズが受けたのも、その日本人でなければ理解できない、「血」や「家」の問題を深く掘り下げているからこそ、と思っています。キネマ旬報などで市川監督の発言を拾うと、原作ものの映画化に関して、「あらゆる原作に、その作家固有の人生観がある。一方、それを視覚化する側にも個性がある。その異なった個性と個性とが相克するところに、これを映画化する意義がある」とか、「横溝作品は今や大変なファン層があり、愛読され、作品の評価を高めているけれど、原作をそのまま映画化しても単なるダイジェストになってしまいますから、毎回、映画としての発想を変えているわけです」などという示唆に富む言葉を拾うことができます。

さてこれで三作目の稲垣金田一のシリーズですが、星監督の演出法は前回の「八つ墓村」をライティングの工夫(意図的な逆光の多用など)で怪談風に仕立て、あの複雑で盛りだくさんの原作を息もつかせぬ展開で料理した点は評価できると思います。しかし、今引用した市川監督の「単なるダイジェスト」に一層近いと思われるのは、今回の「女王蜂」です。確かに原作でも真犯人は多くを語ることなく、名義上の犯人に射殺されますが、原作の筋に盲従すれば横溝作品の妙味が出るか、というと、それは疑問だと思います。真犯人の琴絵・智子に対する異常な愛着を、たとえ台詞は少なくとももう少し掘り下げることはできなかったのか。告白文をしたためた名義上の犯人のドラマはあっても、真犯人の心理描写はなぜ省略されているのか。前回の「八つ墓村」でも犯人と金田一の対決は描かれたのに、今回はそのミソともいうべき部分が脱落しているように感じ、上記のような横溝作品特有の濃密な人間描写を期待したものには、失望のほかはない出来と思われました。

その点、市川版「女王蜂」は評価できます。先祖伝来の怨念と愛執に引き裂かれる犯人像は、ことごとく共感はできぬものの、琴絵・蔦代・秀子を含めた人間悲劇の極端な発現としては、リアリティを感じさせます。

「原作どおりでよい」という肯定的な評価は、原作の筋や、犯行の発生状況・場所をそのまま追えば与えられるものではなく、原作において著者がいわんとしたことは何か、を的確に表現した場合に与えられてしかるべき、と思いますが、いかがでしょうか。その点、何度も言いますが、星監督の「八つ墓村」は犯人の女性としての悲劇を正確に表現としており、その点では失敗作の市川版「八つ墓村」を上回る出来でした。次回作もこの方向性で行って欲しいと一ファンの私は願うばかりです。一つ原作のエッセンスを生かした「病院坂」を見せてもらえないでしょうか。
 

「女王蜂」レビュー
シスベリー
 
あらん限りの空想力をしぼって、大道寺智子をどんなに美しく想像しても、思い過ぎということはないなんて、まだ小学生だったわたしは、何だかとてつもない衝撃を受けました。
ほどなくして片平なぎさの智子を見てがっかり。母は「片平なぎさは美人よ」と、不満たらたらのわたしに言いましたが、「智子の美しさはこんなもんじゃないんだってば!」と反論したのを覚えてます。
次に中井貴恵の智子を見て怒りさえ感じましたっけ。
その後はもう、わたしも子供じゃなくなったので、どんな智子でも受け入れて来たのですが、今回の栗山千明ちゃんの智子、今まで見てきた中で一番よかったです。わたしのイメージに結構近かったかな。葉月里緒菜をイメージするようになってたのですが、似たような系統の顔だと思いませんか?
ということで今回は、登場人物のイメージがわたしのイメージだったかどうかに焦点を・・・。
金田一耕助は、やっぱり長身で男前なのでダメ〜。あのホテルの人(引っ越しのサカイのCMの人、名前知りません、ごめんなさい)の方が、まだわたしのイメージに近いです。
大道寺欣造、神尾先生は悪くなかったけど、他の人達と比べると、ちょっとあっさりしてて、見た目の存在感が薄かったかな。
駒井と遊佐、衣笠氏、文彦くんは、ま、いいかなってカンジです。
九十九龍馬は、設定がえらいことになってるし、不評だろうなと思いつつ、実はわたしはなかなか気に入ってます、ほどよい若さが。花婿候補ということで、ちょっと若いのかな?と思いましたが、原作で42歳とあったので、あぁこんなもんなんだ、と。今まで見てきた人はいかにもおじさんってカンジだったので・・・でももしかしたらわたしが小さかったから、よけいにおじさんに見えてただけなのかも。
多聞連太郎は、雰囲気的に悪くないけど、彫りの深い美貌でなかったのが残念。放送が終わってそのままにしてたら、メントレGが始まって、「あ、多門連太郎は長瀬智也でよかったのに」なんて思ってしまったのでした。
ストーリー的には、足りない登場人物、九十九龍馬の設定、編み物記号の謎が出てこなかったのが不満ですが、後は結構満足してます。
やっぱりいろんな意味でおもしろいですね、このシリーズ。
わたしの好きな悪魔の手毬唄はいつかなぁ。
 

「女王蜂」レビュー
ida
 
自分は基本的には、メロドラマのようなドロドロした内容が苦手な性分ですが、金田一耕助シリーズでは何故か大丈夫なんです。
で、「犬神家の一族」、「八ツ墓村」は知っていましたが、「女王蜂」はタイトル名以外、全く知りませんでしたが、そのためかその番組をみて、違和感なく見れました。
 

『女王蜂』に感動
スティロウ
 
『女王蜂』、感動しました。原作を尊重して丁寧にシナリオを書かれた佐藤嗣麻子さん、赤を基調とした映像で情念を表現された星監督に感謝します。

衣笠宮役の高橋昌也さんの風格は圧巻でした。「この役は高橋さんに演じて頂きたい」と以前から願っていたので、そのことが成就した事も嬉しいです。
 

「女王蜂」レビュー
木魚庵
 
皆さんのご感想をお待ちしています。
 































 

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