題名(原作) |
話数/
放映日 |
あらすじ |
いとこ同志
(三つ首塔) |
第1回
S47/8/22 |
「いとこ同志」設定の確かなスリラー
ホームドラマ調、ドキュメンタリー・タッチ――このシリーズはさまざまな形からサスペンスを取り上げているが、今度は真夏という季節を配慮して、真っ向からスリラー色を出している。
原作は横溝正史の「三ツ首塔」(ママ)で、約六千万円の遺産相続をめぐり、むき出しになった人間の欲望と、次々と起こる奇怪な殺人事件を描いている。遺産相続人と指定された若い娘小百合(島田陽子)、保護者となっている大学教授の誠也(仲谷昇)、婚約者の弟と称する青年(佐々木剛)、いとこたち(春川ますみ、根岸明美、可愛和美ほか)らが主な登場人物だ。
横溝作品の特色といえる設定の確かさに加えて、意外なドンデン返しもあり、新鮮さはないが、このシリーズとしては水準作となっている。ヒロインの島田陽子は成長株として注目されている十九歳の女優。まだぎこちなさも残るが、ときおり息をのむほど美しい表情をみせる。六回連続。脚本は佐々木守、監督は松尾昭典。
(8/22付 読売新聞より)
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第2回
S47/8/29 |
百合(島田陽子)はいとこ同士(ママ)のいさかいから逃れて、湖畔に次郎(佐々木剛)の姿を求めるが、次郎は次郎の父が百合の祖父の罪をかぶって死刑になったという意外な事実を打ち明ける。
(8/29付 読売新聞より)
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第3回
S47/9/5 |
誘かいされた百合
遺産相続をめぐるいとこ同士(ママ)の争いは、ついに、四人の死者を出した。身の危険を感じた百合(島田陽子)は、ナゾの青年、高杉次郎(佐々木剛)の助けを得て、白川村を逃げ出し東京へ向う。
百合の家では、いとこたちが集まり”犠牲者がこれ以上出ないうちに遺産をわけてしまおう”と話合った。だが、その席上、突然停電した。やみにまぎれて百合は誘かいされた。誘かいしたのは、白川村で殺された節子の夫志賀幸二(鶴賀二郎)だった。恐怖のため失心した百合を、志賀は自分の家に運ぶ。
写真説明:ヒッピー風の衣装に姿を変えた百合(島田陽子=右)は次郎(佐々木剛)と東京へ…
(9/5付 朝日新聞より)
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第4回
S47/9/12 |
明美殺害現場にいた百合(島田陽子)と古坂(水谷豊)はきびしい追及を受けるが、証拠は不十分。ところが明美の通夜には不意に次郎(佐々木剛)が現われ、今夜も必ず事件が起こると百合に告げる。果たして誠也(仲谷昇)がナイフで刺され病院に運ばれるが、刑事は上野家をうかがう怪しい男を発見した。
(9/12付 読売新聞より)
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通夜の日また事件
百合(島田陽子)を誘かいしたが何物かに殺された志賀、その犯人と推定されたバーのマダム明美も殺され、犯人像は混とんとして不明。そして明美の通夜の席。集った(ママ)遺産相続人たちは互いに疑心暗鬼。殺された明美の若いつばめ古坂(水谷豊)などは、百合の伯父で学者の上野誠也(仲谷昇)があやしいとさえいい出す。
そんなところへ、遺言で百合が結婚する相手とされた高杉卓也の弟次郎(佐々木剛)が現れ「今夜も必ず事件がおこる」という。
(9/12付 朝日新聞より)
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第5回
S47/9/19 |
遺産相続関係者のうち七人が殺され、残された関係者間の疑心暗鬼はますますひどくなった。そんな時、百合(島田陽子)は次郎(佐々木剛)から首なし三ツ地蔵(ママ)の話を聞き、手がかりをつかむため由香利(可愛和美)のマンションへ忍びこむ。
(9/19付 読売新聞より)
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”首なし三つ地蔵”とは…
遺産相続の関係者のうち、すでに七人が殺された。残る一条百合(島田陽子)をはじめ、かおる(悠木千帆)由香利(可愛和美)姉妹や、姉妹をめぐる男たちはますます疑心暗鬼になった。歌手由香利のマネジャー鬼頭(草野大悟)は”かおるとその愛人辻森(穂積隆信)が怪しい”と思っているし、辻森は、しっと深いかおるにあいそをつかして百合と接近しようとしている。
そんなとき、百合は、次郎(佐々木剛=殺された婚約者の弟)から、”首なし三つ地蔵”の話をきいた。
(9/19付 朝日新聞より)
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第6回
(最終回)
S47/9/26 |
由香利殺しの容疑はかおる(悠木千帆)と辻森(穂積隆信)にかけられたが、証拠はない。一方、百合(島田陽子)と次郎(佐々木剛)は上野教授(仲谷昇)の研究室で首なし三つ地蔵の手がかりをつかむが、そこで次郎は百合に思いがけない事実を告白した。自分こそ遺言状で百合と結婚するよう指定された卓也だ、というのである。
(9/26付 読売新聞より)
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現実離れ「いとこ同志」
▼日本テレビ系の「火曜日の女シリーズ25回・いとこ同志」は遺産相続争いで殺人事件が次々起こる人間のみにくさを描いているが、どうも現実離れしている。これまで比較的身近な題材が多かっただけに、今回のものは原作重視のスリラーになってしまってつまらない感じがするのだろうか。
(愛知県瀬戸市・会社員・藤井さん)
(S47/8/28付 読売新聞「放送塔」より)
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