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月曜日の秘密

昭和32年2月18日〜4月29日 全11回
日本テレビ 午後10時15分〜11時
金田一耕助:岡譲司
 
 「横溝正史シリーズ」より20年も前に、金田一耕助のドラマシリーズが存在していました。その名は「月曜日の秘密」。
 昭和27年の「毒蛇島奇譚・女王蜂」で金田一耕助を演じた岡譲司が、ブラウン管に舞台を転じ、大活躍をします。ただし、この時代の金田一ですから、ソフト帽にスーツを着込んだ活劇バージョンです。
 リストをご覧になってお判りのとおり、その大半はドラマオリジナルと思われます。しかし、原作付きと推定できる3本のドラマは、当時「週刊東京」という雑誌で連載中の最新作を、ほぼ同時進行で映像化するという画期的なものでした。
 
 なお、一部の記録では、番組名が「日曜日の秘密」となっていますが、これはどうやら、当時の新聞の誤植が、そのまま残ってしまったからのようです。
 
 
話 数 放映日 原 作・あらすじ・備考
配 役
第1話
犯人と毒薬
2/18 スリラー「月曜日の秘密」始まる
車中、オシ娘の怪死
第一話「犯人と毒薬」岡譲司が金田一耕助


新番組のスリラードラマ「月曜日の秘密」は第一話「犯人と毒薬」横溝正史の原作を、映画評論家の飯島正(筆名志田正六)や俳優の伊豆肇らが交代で脚色するもので、おなじみの私立探偵金田一耕助には映画スター岡譲司がふんして毎回怪事件のナゾを解く。第一回の「犯人と毒薬」は車中でナゾの死を遂げた令嬢をめぐる事件。脚色・志田正六。
落盤のため、トンネル内で立往生した列車が二時間後にやっと発車すると、乗客の氷川良子が死んでいるのを車掌が発見して大騒ぎとなった。検死の結果心臓マヒと断定されたが良子の父良介は死因に疑いを持ち、私立探偵金田一耕助に調査を依頼する。良介は、汽車の中でオシの良子の隣に座って、筆談していたという従兄の菅原陽一、その前の座席に座っていた青年中曾根、花菱の女将、横に座っていた街のボス富田と教師の長橋に、娘の最後の様子がききたいからといって自宅に招待した。
(2/18付 東京新聞より)

※ 2/18付朝日新聞では「日曜日の秘密」
氷川良介:高田稔 / 氷川良子:篠原暎子
菅原陽一:沼田曜一 / 長橋(教師):近衛敏明
中曾根:江見渉 / 花菱の女将:日高澄子
第2話
無言の証人
2/25 財閥の怪死

スリラードラマ「月曜日の秘密」。
(ママ)の第二話は、宝石王と呼ばれた財閥の当主南条高公のナゾの死をめぐって私立探偵金田一耕助が活躍する”無言の証人”。原作・横溝正史、脚色・伊豆肇。
(2/25付 東京新聞より)
南条高公:汐見洋 / その妻百合:山岡久乃
弁護士番場:宮坂将嘉 / 高公の友人佐々木:千葉栄
南条家の女中とし子:島秋子 / その恋人片山:安井昌二
第3話
花と注射器
3/4  
第4話
霧の中の女
3/11 同じ手口の二つの殺人事件
捜査線に色眼鏡の女
週刊東京連載の「霧の中の女」金田一耕助乗出す


スリラー・ドラマ”月曜日の秘密”の第四回目は、一月の週刊東京で二回にわたって連載した横溝正史・作の「霧の中の女」

深い霧が一面にたちこめている夜銀座の貴金属商たから屋の店先に真白なストールを深く頭から首へ巻きつけ色メガネをかけ黒い手袋をはめた女が現われ、店員のスキを見てイヤリングを盗んだ。店員の牧野は慌てて追っかけたが、いきなり女に腹を刺されて殺されてしまう。この事件の解決がつかぬうちにまたもやたから屋の店員殺しと同じ手口の殺人事件が起る。
殺されたのは富士産業専務長谷川善三で枕元には、たから屋から盗まれたイヤリングが落ちていた。長谷川が殺されたのはある旅館の離れ、連れの女は、白いストールに色メガネの女だということが判る。「強盗殺人の太陽族女性版」と色めく捜査陣の中へ、一枚加わった金田一耕助は、その死体の服のポケットの中から発見したマッチによって相手の女がバー・ドウトンヌの女と見当をつけ乗込む。
(3/11付 東京新聞より)
村上ユキ:沢村美(?)恵子 / 村上(ユキの夫):武藤英司
バー・ドウトンヌのマダム:山岡久乃
キミ子(ドウトンヌの女給):鈴木祥子
長谷川善三(富士産業専務):沢村宗之助
宇野達彦(長谷川の秘書):江見渉
たから屋の店員:宮川洋一 他
第5話
ある夫婦
3/18 一千万円の保険に入った係長
テレビ塔から墜死
「月曜日の秘密」自殺か他殺か


スリラー・ドラマ「月曜日の秘密」はおなじみの私立探偵金田一耕助が活躍する横溝正史作”ある夫婦”。
建設会社の社員山田は係長に就任した日、建設中のテレビの鉄塔上から落ちて死んでしまった。
その日山田は鉄塔の頂上の警戒標識灯を修理するため社員の三崎と共に鉄塔に登ったが三崎が眼下に起った自動車のひき逃げ事件に気をとられている間に落ちたものと判った。この山田には一千万円という多額の生命保険がかかっている。しかも山田は一回払っただけで死んでしまったのである。自殺か他殺か、それとも事故死か、依頼を受けた金田一探偵は集まってくる情報を手にとりながら、複雑な事情があるとにらむ。
(3/18付 東京新聞より)
山田:近藤宏 / 妻京子:天地圭子 / 武藤英司 / 石田明子
第6話
釣堀に現れた女
3/25  
第7話
泥の中の顔
4/1 (原作:「泥の中の顔」 ※後に「泥の中の女」と加筆改題)
第8話
深夜の客
4/8  
第9話
アパートの三階の窓
4/15 ※ 4/15付 東京新聞夕刊では「アパートの窓」
第10話
棄てられたダイヤ
4/22  
第11話
カバンの中の女
4/29 (原作:「鞄の中の女」)
※ 資料提供:玄水石さん のよりんさん

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