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金田一耕助ドラマ<単発>

 
意外に少ない単発ドラマの金田一さんです。
昭和50年代の横溝ブーム以降は、中井貴一、役所広司の他には、土曜ワイド劇場に区分している愛川欽也くらいしかありません。
90年の「犬神家の一族」も、当初の予定では初めから役所広司を念頭において企画されたドラマだったとか。
つまり、金田一ドラマは、シリーズ化されやすいということ、なのかな?
実際は、各局がそれぞれ金田一シリーズを抱えていたので、単発ドラマの必然性がなかったというのがもっとも大きな要因だと思われます。
(TBSが古谷一行、フジが片岡鶴太郎、テレビ朝日が小野寺昭)

ちなみに、ブーム以前の「白と黒」(62年)「八つ墓村」(69年)は、いずれも1時間ドラマ。
CMを除いた実質45分で、これらの長い物語をどうまとめたのか、見てみたいぞ。
71年NHKの「八つ墓村」は、寺田辰弥を狂言回しとしたため、金田一耕助が登場しないドラマだったそうです。
また、「吸血蛾」「明智小五郎VS金田一耕助」は土曜ワイド劇場のページとデータが重複していますが、単発ものには違いないので、こちらにも掲載しました。
その他、このリストに洩れている情報や、詳しい資料を発掘された方がいらっしゃいましたら、ぜひともご一報をお願いいたします。
 
作 品 名 金田一耕助 放映日 配 役
放送局
脚本 演出
白と黒 船山裕二 1962/11/23
21:15〜22:15
戸田京美:堀江璋子
水島浩三:藤村有弘
須藤順子:高倉みゆき
須藤達雄:鮎川浩
宮本タマキ:青山ミチ
伊丹大作:千葉信男
根津伍市:山田周平
根津由起子:新井茂子
片桐恒子・辻村あき子(二役)
   :山田美智子
等々力警部:須藤健
山川警部補:岩城力也
志村刑事:仲原新二
NET(テレビ朝日)
「ミステリーベスト21」
直居欽哉 松島稔
「白と黒」の初にして唯一の映像化。あの長い原作を1時間の枠でドラマ化。
池田恵さんの金田一耕助HP「桜日記」で、このドラマの脚本の画像を見ることができる。
その後池田恵さんのご好意により、「白と黒」シナリオを読むことができたが、配役を見ておわかりのとおり、榎本謙作や姫野三太などの若者群像のドラマをバッサリと切り落としている。
タンポポのマダム殺人事件と脅迫状の謎、根津管理人の関与を主軸にストーリーを再構成している。
金田一探偵事務所が存在し、警視庁に来ている金田一宛に電話がかかってくるなど、千恵蔵金田一の影響が濃い。
 
「単純な事件だった……。しかし、それを世に複雑怪奇な色に染めあげたのは、人間の織りなす不可思議な人生のパタンと、その底に横たわるそれぞれの哀しい宿命であった。……そして、その都会の一隅にそびえる人間聚落は、何事もなかったように昨日から今日へ、今日から明日へと、たくましく、無限に拡がって行くのである」(「白と黒」シナリオより金田一耕助のセリフ)
八つ墓村 金内吉男 1969/10/04
22:30〜23:26
原知佐子(田治見美也子)
田村正和(寺田辰弥)
清見晃一(田治見久弥)
夏川かほる・相馬剛三
NET(テレビ朝日)
「怪奇ロマン劇場」
野上龍雄 渡辺成男
田村正和が寺田辰弥を演じた、伝説の1時間ドラマ。
脚本は、横溝正史シリーズII「不死蝶」や西田敏行「悪魔が来りて笛を吹く」の野上龍雄。
NETは今のテレビ朝日だが、昔から一回かぎりの使い捨て金田一を乱発していたことがわかる。
 
八つ墓村 ―――― 1971/08/02〜08/06
21:00〜21:30
森美也子:水野久美
寺田辰弥:山本耕一
田治見春代:柳川慶子
田治見小梅:飯田蝶子

田治見小竹:小峰千代子
里村慎太郎:内田稔
里村典子:有吉ひとみ
※NHKの番組記録データでは「里見」表記
NHK 銀河ドラマ
「サスペンスシリーズ」
小幡欣治 安江泰雅
金田一耕助の登場しない八つ墓村。
寺田辰弥役を山本耕一、美也子を水野久美が演じた。
おおむね原作に忠実なつくりだが、スタジオ収録だったため鍾乳洞のセットがかなり小規模だったという話。
 
吸血蛾
美しき愛のバラード
愛川欽也 1977/10/15
21:02〜22:24
田村亮(村越徹)
大空真弓(浅茅文代)
北村和夫(等々力警部)
中山麻里
小坂一也
テレビ朝日
「土曜ワイド劇場」
横光晃 高橋繁男
昭和52年といえば、世はすでに横溝ブーム真っ只中。
今となっては信じ難い話だが、愛川金田一は、石坂浩二や古谷一行の映画やドラマのヒットを受けて製作されていた。
横溝正史シリーズ映像化の際の条件のひとつに、「原作と時代設定を変えない」という項目があったことを考えると、現代を舞台にしたこのドラマの企画が、よく通ったものだと感心してしまう。
製作年度のわりには再放送の回数が極端に少ないため、横溝マニアの間では見ているだけでエバれる不思議な現象が起きている。
 
犬神家の一族
名探偵金田一耕助の推理が完全犯罪に挑む!
美しい女相続人が招く怪奇連続殺人!!
呪われた仮面の秘密……。
中井貴一 1990/03/27
19:02〜21:48
犬神松子:岡田茉莉子
犬神竹子:三ツ矢歌子
犬神梅子:結城美栄子
犬神佐兵衛:若山富三郎
犬神佐清:石黒賢
犬神佐武:四禮正明
犬神佐智:小沢仁志
犬神寅之助:守田比呂也
犬神幸吉:金子研三
犬神小夜子:川津花
野々宮珠世:財前直見
猿蔵:丹古母鬼馬二
青沼静馬:渕野直幸
青沼菊乃:和泉ちぬ
宮川香琴:結城しのぶ
古館弁護士:小林桂樹
徳島警部補:荒井注
佐川刑事:柳沢慎吾
池田明子:松本伊代
若林弁護士:辰巳琢郎
大山朝子:浅野ゆう子
石井富子・桜金造
テレビ朝日
長坂秀佳 松尾昭典
この当時テレビ朝日は、すでに小野寺昭のシリーズを抱えているのに、突然単発で犬神家をやるものだから、ずいぶん面食らった。
実は、脚本の長坂秀佳が、役所広司と石立鉄男のバディ(コンビ)ものの一編として企画したもので、両者のスケジュールが合わず、急きょ中井貴一と荒井注に変更となった。
ちなみに同年のテレビ東京正月時代劇は、長坂脚本・役所の土方歳三・石立の近藤勇の「燃えよ剣」が放送されている。
ベストロールが叶わなかった長坂は、半年後に「リベンジ」として女王蜂を制作することになる。
犬神家の映像化作品では唯一、佐清と静馬が瓜二つという設定がなく、それぞれ別の俳優が演じているのも特徴。
 
女王蜂
名探偵金田一耕助が怪奇連続殺人の謎に挑む!
「浴室の美女の妖しい痣と消えた婚約指輪の秘密…」
役所広司 1990/10/02
19:02〜21:48
大出俊(大道寺欣造)
小川知子(神尾秀子)
井森美幸(大道寺智子・琴絵)
石立鉄男(等々力警部)
川崎麻世(多門連太郎・日下部)
寺田農(九十九乙郎)
なべおさみ(吉田茂巡査)
梅津栄(嵐三朝)

長門裕之(加納弁護士)
伊藤かずえ・河内桃子
清水善三
テレビ朝日
長坂秀佳 井上昭
制作の経緯は「犬神家の一族」にあるとおり。
脚本家がどの程度まで配役に口出しできるのかはよくわからないが、少なくともヒロインの井森美幸は長坂にとっても意外だったらしく、周囲の人間に「大道寺智子役が誰だか当てられたらおごってやる」と言っていた。
ちなみに、神尾秀子役の小川知子、大道寺欣造役の大出俊は、長坂脚本のドラマの常連である。
 
明智小五郎VS
金田一耕助

世紀の名探偵推理対決!
炎の不可能密室殺人!?
妖しい傷跡の美女
長瀬智也 2005/2/26
21:00〜23:06
財前直見(島村奈美子)
内山理名(山下亮子)
平田満(佐々岡大作)
光石研(徳島刑事)
堀北真希(三枝真理奈)
団時朗(三枝警視監)
石倉三郎(武藤明憲)
余貴美子(手塚雪乃)
岸田今日子(伊勢園子)
神山繁(藤堂官房長官)
温水洋一(自殺未遂の男)
松岡昌宏(明智小五郎)
テレビ朝日
「土曜ワイド劇場」
深沢正樹 猪崎宣昭
  
※参考サイト 『配役宝典 in WEB』 | 『テレビドラマデータベース』

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